
業務のスピードを上げたい、属人化をなくしたい、情報を探す時間を減らしたい――
中小企業や小規模組織のIT相談で、このテーマは必ず出てきます。
「とりあえず紙をスキャンしてSharePointに置けばいいんですよね?」
実は、それだけではスループットは上がりません。むしろ、紙の山がデジタルの山に置き換わるだけになりがちです。
大切なのは、スキャンした“あとの業務の流れ”をどうデザインするか。ここに電子ファイリングの本質があります。
よくある紙文書の処理フローと課題
多くの会社では、紙文書は次のように処理されています。
- 文書を受け取る
- 内容を確認して分類する
- 必要なら回覧や承認
- スキャンしてPDF化
- フォルダに保存
- 必要なときに探す
一見シンプルですが、現場では次のような問題が起きがちです。
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ボトルネック |
発生する理由 |
影響 |
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どこに保存するか迷う |
フォルダ構成が属人的 |
探す時間が膨らむ、責任が曖昧に |
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スキャン後の流れが曖昧 |
「スキャンしたら終わり」意識 |
電子の山が増える |
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情報が検索できない |
ファイル名・フォルダ名頼り |
過去文書探索に10〜30分かかる |
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紙と電子が二重管理 |
「とりあえず原本も残す」文化 |
保管コスト・手間が増大 |
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担当者が固定化 |
手順が標準化されていない |
その人が休むと止まる |
結論として、紙をスキャンする“だけ”では生産性は上がらないのです。
文書が“データ”として流れる状態を目指す。
では、どんな状態を目指すべきか?
理想は、「文書が“データ”として流れる状態」です。
目指すべき文書処理フロー
- 1文書を受け取ったら入り口フォルダへ即投入
(スマホでも複合機でもOK) - SharePoint 上で、文書に 属性(メタデータ) を付与
- 文書種別
- 相手先
- 日付
- 担当者 など
- 回覧・承認は Teams + Power Automate で自動的に通知
- 原本保管は「法律上必要なもののみ」明確に例外管理
- 文書検索は フォルダではなく検索で引く
→ 「Googleで検索する感覚」で過去資料に辿りつける
これにより、文書は人が探すものではなく、必要なときに自然と手元へ届くものになります。
ポイントは「棚ではなく台帳」発想
よくある失敗が、電子化しても「フォルダ階層で管理しようとする」こと。
フォルダ = 棚
棚は「置き場所を知っている人」しか正しく探せません。これを 台帳(メタデータ管理) に変えます。
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考え方 |
管理方法 |
探し方 |
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旧:棚で管理する |
フォルダ階層 |
記憶・勘で探す |
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新:台帳で管理する |
SharePoint 列 / メタデータ |
キーワード検索する |
属人化がなくなり、“探さない働き方”へ移行できます。
スループットが上がると何が起きるか
- 情報を探す時間が激減する
- 回覧・承認が止まらなくなる
- 担当者が不在でも業務が止まらない
- 新人・外部メンバーでも同じ品質で業務ができる
- テレワークでも社内でも情報アクセス体験が統一される
つまり、組織の反応速度が上がる。これはそのまま、競争力になります。
電子ファイリングに困ったら、まずはご相談ください
「どこから手をつけたらいいかわからない」
「ルールを決めても、うまく定着しない」
「SharePointは入れたけれど、運用がバラバラ…」
そんなときは、テクノスイッチにご相談ください。
私たちは、中小企業の現場に合わせた“無理なく続く電子ファイリング”を得意としています。業務の流れ、メンバーのスキル、紙文化の残り方…。会社ごとに違う“リアルな事情”を踏まえて、一緒に最適解を整えていきます。
- 現状ヒアリング
- 文書分類・入口ルールの設計
- SharePointの台帳(メタデータ)設計
- Power Automateによる文書流通フロー
- 運用定着までの伴走支援
ここまでをワンストップでサポートします。
「電子化はツールの問題ではなく、“流れ”の設計です。」
まずは軽く状況を聞かせてください。相談だけでも大歓迎です。
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あなたの会社のスループット、まだまだ上げられます。一緒に“探さない働き方”をつくりましょう。

中小企業のIT導入・活用支援を中心に、クラウド、セキュリティ、AI、電子帳票、建設業向けシステムまで幅広く対応。ITコーディネータとして業務とITの橋渡しを行いながら、実効性ある運用体制づくりを支援します。 Microsoft 365 を中心とした導入実績に加え、G検定、AI・IoTマスターコンサルタントなどを取得。電気工事士資格も保有しており、ネットワークやハードウェアにも対応可能です。


